人間が極々普通に生活していく過程で遭遇し難い生き物は多々あります。
しかし都会に長く住めば自然に憧れを抱いたり、その逆もあります。
都会で生きていく知識はあっても自然界で生きていく知識が少ない場合、もしかしたら触れてはいけない植物に触れてしまったり、捕獲してはいけない生き物を捕ってしまったりなどの間違いも起きるでしょう。
ただの間違いで済めばよいのですが、そうではないことも少なくありません。
例えば、激痛を伴ったり、命の危険に晒されたり……なんてことも可能性はゼロではありません。
もしかしたら、都会にも自然界の恐怖が身近にあるかもしれません。
そこで今回は実はハチに刺された時同様の激痛が伴うという危険な昆虫、サシガメについてまとめますね。
生態を知ることでわかることもありますし、避けられる危険は可能な限り避けたいものです。
目次
サシガメの生態
まず、サシガメという名称から亀を想像された方もいると思いますが、亀ではなくれっきとした虫、昆虫です。
ざっくり言うとカメムシのお仲間です。
サシガメの主食は昆虫を捕食することですが、稀に人の血を吸う吸血行為で食を取る種類も存在します。
この吸血行為から感染症を起こすケースがあるので、サシガメは危険な存在であることがわかります。
サシガメの種類は多く世界中で6000とも6500種類とも言われています。
その中で日本にいるサシガメの種類については次の項目でご説明します。
日本にいるサシガメの種類は?
日本国内では50種類ほどが確認されているようです。
ほかの昆虫を主食としているため、植物などを食いものにする虫に困っている方々にとっては益虫という見方をされる場合があります。
虫たちにとってサシガメは天敵ということですね。
日本ではヨコヅナサシガメとオオトビサシガメが一番多く生息しているようです。
幼虫の大きさや発生場所は?
サシガメの種類は多く、どのサシガメを基準とするかが曖昧になりますので、ここでは日本で多く生息していると言われるヨコヅナサシガメの幼虫を例えとしますね。
このサシガメの幼虫はだいたい20ミリ前後、その母体に足が付きますので、20ミリよりは大きく見えるはずです。
縦長の体型で頭の方にゾウの鼻のような口がついているのが特徴です。
これらをよく見かける場所は落ち葉の裏側などです。
そういったとろに隠れていたりするので、やたらと素手でたまった落ち葉に触れるのは避けた方がよいでしょう。
サシガメに刺されると痛い?
刺されれば蚊でも痛みは生じることもあります。
痛いらしいですよ……ハチに刺された時くらいのものは感じるようです。
しかしスズメバチに刺された時のように激しい痛みやそれが持続するということはないようです。
それでも素手で刺されれば相応の痛みになりますので、危険です。
危険というのは刺された後の感染症のことなのですが、それについては次の項目でご説明しますね。
感染症やその他の危険性もある?
サシガメに刺されたことで起こりえる感染症の代表といえば、シャーガス病でしょう。
サシガメが人を刺した際に残していく糞から感染していきます。
その糞に含まれるトリパノソーマが刺した時の傷口などから体内へと侵入して感染してしまうのです。
症状としてはかゆみ・下痢・頭痛・発熱といった具合で、サシガメに刺されたという自覚がないと別の病の症状と勘違いしてしまうケースも少なくありません。
ほかの危険性への危惧ですがシャーガス病だけでも完治まで数カ月要する場合もあるようなので、これ以外になかったとしてもサシガメとの接触は避けるべきでしょう。
シャーガス病について
サシガメの臭いはすごい!?
サシガメはカメムシのお仲間なので、やはり臭いのでしょうか。
実は臭いというほどでもない種類もいるのです。
オオトビサシガメはバナナのような匂いがするらしいです。
バナナの匂いを不快と思う人はあまりいないと思いますので、臭い部類ではないと思います。
結論をいえば、臭いサシガメもいればいい匂いをしているサシガメも存在するということです。
サシガメの駆除方法
人に害を及ぼすこともあるサシガメがもし近くにいたら、やはり駆除するしかないと考える方もいると思います。
その際、市販の虫駆除の殺虫剤などで効き目があるかどうかが気になるところですね。
結論から言うと、一般市民の手では完全に駆除するのは困難……らしいです。
カメムシのお仲間なので、カメムシが駆除できるなら同じ手順でできると思われるかもしれませんが、カメムシ駆除同等の効果を得るのは難しいようです。
より強力な殺虫効力がないと厳しいらしいので、市町村などに相談か民間の駆除会社に頼るのがよいかと思います。
サシガメはカメムシを食べてくれる?
サシガメはカメムシのお仲間なまに、実はカメムシを補食してしまうこともあるようです。
カメムシにとってサシガメは天敵といっても過言ではない存在のようです。
サシガメの捕食シーン
まとめ
こうしてまとめてみると、虫に対して知識がない者にとってはもしかしたらハチよりも凶悪な存在かもしれませんね。
ハチを見れば人は得た知識から本能的に危険を察知して近寄りませんが、サシガメはパッとみて「これってサシガメだよね」とわかる人はハチを知っている人の何割ではないでしょうか。
植物を食いものにする虫を補食してくれるから助かるという考えの方もいる反面、感染症になるリスクもあることを考えれば、手放しには喜べないところですね。
森林や雑草の生えた場所には極力肌の露出を避けるなど、人である我々も身を守る術を常に気にしていないといけない、そんなことを改めて感じました。
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