早いものでもう4月も折り返しを迎える今日この頃ですが、皆さんはお花見に行きましたか?
日本人にとってお花見は春の風物詩であり、綺麗な桜を見ながら飲んだり・食べたりするのが大好きですよね。
大半の地域でもう既に桜も散ってしまい、来年に満開の桜を見る事を楽しみにし、次の春の訪れが来る迄暫しのお別れだと思います。
しかしながら、そんな日本人にとって切っても切り離せない桜がピンチを迎えている事はご存知でしょうか?
そのピンチと言うのは1種のカミキリムシのよってもたらされています。ではそのカミキリムシとはどんなカミキリムシなのか、下記よりご紹介していきます。
目次
クビアカツヤカミキリの生態・分布
冒頭でお伝えした桜をピンチに追いやっているカミキリムシの正体は「クビアカツヤカミキリ」と言う名前のカミキリムシです。
余り聞き覚えの無い方も多いかと思いますので、その生態や分布域等をご紹介しましょう。
クビアカツヤカミキリとは分類上、コウチュウ目カミキリムシ科に分類される昆虫の一種になります。
元々は中国・モンゴル・朝鮮半島等のアジア圏に生息しており、日本には存在していなかったのであります。
しかし、2012年に愛知県で初めて発見されて以降、その数と分布域を拡げていっています。今現在、栃木・群馬・埼玉・愛知・徳島県及び大阪府・東京都で定着している事が確認されています。
体長は約30㎜前後で大きい個体だと40㎜近くのサイズになります。体色は黒色で前胸部分(俯瞰で見て首っぽい所)が赤色になっています。
非常に繁殖力が強く、雌は一度の産卵で約300個程卵を産むと言われています。
幼虫はどこで見られる?
クビアカツヤカミキリの幼虫は卵から孵化後、約2~3年を樹木の中で過ごします。
そして幼虫はバラ科の樹木(サクラやモモ、ウメ等)の中に寄生し上記の年数を過ごし成虫へと成長していきます。
クビアカツヤカミキリの幼虫が寄生しているか否か、と言うのはそれら樹木の下に「フラス」と呼ばれる木くずとフンが発生しているのでそれを見ると分かります。
従いまして、バラ科の樹木の下でフラスと呼ばれるものがあれば、それはクビアカツヤカミキリの幼虫がいるので見る事が出来るかも知れません。
環境省に特定外来生物として指定されている?
ここまでで、クビアカツヤカミキリの生態及び分布域、その幼虫が見られる場所等をお伝えしてきましたが、このクビアカツヤカミキリの行動の何がサクラにとって問題なのでしょうか?
応えは、上の項目でも記載した様にクビアカツヤカミキリの幼虫による樹木内部を食い荒らす事によって発生する樹木の壊死です。
先程、「フラス」と言うものをご紹介しましたが、それが樹木の中を食い荒らしている証拠ですね。
クビアカツヤカミキリに寄生されたサクラ等は中を食い荒らされる事により、段々衰弱していき最終的には壊死してしまうと言う訳です。
そして繁殖力が強いので数が増えてくるにつれて、食い荒らされる樹木も増え、被害拡大防止の為、伐倒される樹木が増えてきた事から環境省によって「特定外来生物」(H30,1月更新版)に指定されています。
環境所のHPに特定外来種の一覧リストがあるので、ご興味あれば見て下さい。
公的な駆除が行われている?
この日本の春の風物詩に影響を与えているクビアカツヤカミキリへの対策としてそれぞれ分布が確認されている地域では駆除が行われています。
地方自治体での駆除対策になりますが、薬剤注入で幼虫を駆除したり卵を産み付けられない様にする為、ネットを樹木の幹に巻き付ける事等様々な対策を講じています。
また徳島県では「徳島県立農林水産総合技術支援センター」の方々がクラウドファンディングで寄付を募り、クビアカツヤカミキリ撲滅プロジェクトを立ち上げサクラやモモの木を守る活動をされています。
プロジェクト推進動画
各自治体でクビアカツヤカミキリを発見した場合は早急に自治体に連絡をして欲しい、とも呼び掛けているので皆さんもクビアカツヤカミキリを見掛けたら報告しましょう。
それだけ被害拡大が懸念されている状況なので、現時点でまだ確認されていない他府県への被害が及ばない様になればいいですね。
クビアカツヤカミキリに天敵はいる?
そんなクビアカツヤカミキリですが、今現在日本には天敵がいない状況だそうです。
その様な事情も相まって数が増えていると言う訳です。
多少なりとも天敵が存在していれば若干数は淘汰され、爆発的な増加にはならないのでしょうが、天敵がいない今は無双状態です。
まあ強いて言うなら駆除を行う人間が天敵になるのでしょうが、木に発生した幼虫を駆除するのは大変な労力を要すみたいで中々根本的な解決に至っていない様子です。
クビアカツヤカミキリの価格
ふとクビアカツヤカミキリの価格を調べてみましたが流石に販売はされていませんね。
標本としてオークション等でやり取りされていたりしましたが、生体販売は流石に無いですね。
むしろ、日本人にとって大切な桜を害す生物なので完全駆除とまではいかなくても、被害拡大は防ぎたい所ですよね。
このままずっと被害が拡大しお花見が出来なくなると考えると悲しいですよね。
まとめ
桜の木に被害を与えているクビアカツヤカミキリ。
天敵がいない状況かつ、繁殖力も強いのでその数を莫大に増やしているみたいです。
何としてでも春の風物詩、いや日本の風物詩でもある桜をこれからもずっと守っていきたいので我々も何か協力出来る事があれば協力したい限りです。
皆さんも、もし発見した場合は早急に最寄りの自治体等に報告しましょう。
以上、クビアカツヤカミキリの天敵は?生態や分布・幼虫や駆除方法を解説でした!!
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