知っている言葉、その使い方が間違っているとはまったく思いもせず、当たり前のように使われている言葉は思っている以上にたくさんあります。
そのひとつが、「役不足」だと思います。
とくにこの言葉はネガティブ的な意味で使われがちですが、実は真逆であることをご存知でしょうか。
○○不足という言葉はほかにもあり、役者不足や力不足なども比較的多く使うことがある言葉かと思います。
それぞれ、正しく意味を理解し使われているでしょうか。
自信があるならよいのです。
再確認程度に流し読みしてください。
しかし自信がない、知らないという方はここでしっかりと理解し、今後は正しく意味を理解して使っていただきたいと思います。
若ければ笑って済まされることも、ある程度の年齢になると恥ずかしいですし、社会にでるともうそれは恥ずかしいで済まされる程度ではない事態になることもあります!!
目次
役不足とは?
先にも申しましたが、この役不足はネガティブ的な意味で使われることが多い言葉です。
おそらく、責任あることを任されそうになった時、とても自分では無理だと感じ断る時などに使用していることが多いのではないでしょうか。
しかし、しっかりとこの言葉の意味を理解している人が聞けば、「この人にとっては軽すぎることだったのか。もっと大きく責任あることを任せても大丈夫かもしれない」と思われ、聞き入れられても次に頼まれることははるかに重大かつ責任あることを頼まれてしまうかもしれません。
といえばもうだいたいおわかりかと思います。
役不足という言葉を使い断るということは、今の自分の立場では軽すぎる内容のことを頼まれている、ということになります。
自分にはできそうもないので断りたい時に使うのは「力不足」が正しいのです。
仮に、正しく「役不足」を使い断っていたとしましょう。
相手によっては自信過剰な人物と見られてしまい、必ずしもよい印象に繋がるとは限らないので、相手をよく見て使うことをお勧めします。
役者不足と同じ意味?
役不足と間違えて使われることがあるこの「役者不足」ですが、じつはこの言葉に説明しなくてはいけない意味はありません。
単純に役者が不足しているというだけなのです。
役者が足りないといえばよいところを、どうながれてか「役者不足」と縮められてできてしまった言葉のように感じます。
そのため、なにか頼まれて断る際、断る側にどんな思惑があるにしろ「役者不足ですから」などと言ってしまうのは、赤っ恥行為としかいいようがないのです。笑
力不足とは違う?
力不足は読んで字のごとく、そのままです。
頼まれごとに対し、今の自分の力ではやり遂げられない、つまり力が不足しているので、お断りしたいという意味です。
もっと重大なこと、やりがいのあることをしたいので断る時に使用してしまうと、聞き入れてもらったあとに頼まれることは、さらに低くやりがいのないことを頼まれてしまうことがあります。
役不足・役者不足・力不足の使い方(簡単な例文)
では、それぞれの言葉を正しく使うにはどういう時にどのタイミングで使えばよいのでしょう。
簡単な例文をあげておきますね。
とある組織内に新しい部署ができました。その責任者を任されたとします。
しかしまだ入社して間もないので断りたい……そんな時は「自分には力不足ですので」と使いましょう。
しかし前の会社で経験を積み、もっと大きなことをして転職したのでもう少し上の仕事がしたいので断りたい……そういう時は「自分には役不足だと感じます」と使うとよいでしょう。
そもそも責任者を任されても部下がいないのでは成り立たないのではないか、そう疑問に感じた時などには「まだ役者不足なのではないでしょうか」と言ってみるのもよいかもしれません。
しかし役者不足に関しては普通に人材が足りないのでは……と言った方が心象もよいかと思います。
まとめ
知っているので使いたい、ちょっと小難しそうな日本語を使えると、利口そうに見られると思っている人もいるかもしれませんが、そもそも会話というものは相手に伝わらなくては意味がありません。
なにも小難しい言葉を連ねる必要はないのです。
間違って使ってしまうよりは、少し説明が長くなってももともとの意味を言うのがよいですし、その方が誤解もなくなります。
一度印象を損なうと回復は大変です。
学生時代ならさして問題にもならないと思いますが、社会はそんなに甘いものでもないので、もし間違いに気づいたら誠心誠意の謝罪が不可欠です。
そんな面倒なことをして仕事に支障が出たりするよりは、簡単な言葉で思いを伝えだ方が印象もよくいいのではないだろうかと、思います。
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