日本語はさまざまな意味がありますね。
ことわざも四文字熟語もあります。
覚えることがこれだけいろいろある言語は、なかなかありませんね。
「情けは人のためならず」
「汚名返上」
「名誉挽回」
など分かりにくいことわざなどもあります。このようなものは、受験問題にもなります。
そんな中で1つ、ことわざを紹介します。
「他山之石」=「他山の石」
と言う言葉は、ご存知ですか?
初めて!!と言う方も多いでしょう。
最近、聞かなくなった言葉です。
自分の持っている山ではない、他人の山からでた粗悪な石でも自分の山の宝石などを磨くのに役に立つと言う意味です。
ちょっとややこしいですが、つまりは、自分を磨く、自分を成長させるためには、他人の間違っている行いも役に立つということです。
うーん??
人のふりみてわがふり直せ
みたいですね。
他人のしたこと、悪いことや態度、悪行をみて、自分はそうならないように、しないように心がけることです。
うんうん、日常で、○○さんのようなことはしないようにして、自分は、このやり方で仕事をしようとか、成績をあげようとか感じることありますね。
まさに他山の石です。
目次
他山の石の由来
この「他山の石」の由来は、中国です。
日本で生まれたものではありません。
古くは、中国最古の詩集「詩経」の中に、「他山の石以て玉を攻むべし」と記されています。
古来、石はその辺に落ちているつまらないものとされ、玉は宝石などの立派なものを表していました。
他人の山のつまらない石でも自分の宝石を磨くのに役に立つ
という意味です。
この言葉が由来となり「他山の石」という言葉ができました。
中国から漢字だけでなく、さまざまな教えや言葉が入ってきた、文化交流の証ですね。
ことわざの使い方・例文
では、この他山の石は、どんなときに、どのような使い方をするのでしょう?
例えば
人の失敗をバカにしないで他山の石とすべきである
この成功は、○○さんを他山の石とした結果である
彼を他山の石として、仕事に励もう
このプロジェクトは、Aプロジェクトを他山の石とした結果である
彼は私の他山の石だ
などあります。
しかし、よくみてください。
他山の石の使い方・・・ちょっと聞いていて気持ちいいものではありませんね。
愚痴?悪口?のようなイメージを持ってしまいますね。
そうなんです。
他山の石は、相手がいます。
相手を下げて自分をあげる表現ですので、使い方によっては聞く人に不快感を与える可能性があるので、使い方には気をつけましょう。
類義語にはどんな物がある?
では、他山の石に似ていることわざは、どんなものがあるのでしょうか?
先にご紹介しました、「人の振り見て我がふり直せ」は他山の石に似た意味です。
そのほかにもご紹介します。
人こそ人の鑑
人を以て鑑と為す
人の上みてわが身を思え
前車の覆るは後車の戒め
などです。
なんだか難しい表現も多いですが、だいたいが、つまらないもの、悪い言行、など他人がしたことを見て、自分はそうならないようにしよう、とかあの人みたいにしないで、いい方法見つけよう、と考えることです。
何回も繰り返しますが、相手がいて成り立つ言葉です。しかも相手を下に見ることなので、なるべくなら使う機会がないほうが嬉しいですね。
まとめ
いかがでしたか?
他山の石
難しい使い方ですね。
私たちは、なにげに多くのことわざを日常使っています。
後悔先に立たず
ネコに小判
豚もおどけりゃ木に登る
豚に真珠
サルも木から落ちる
などがあります。さまざまな場面や状況で、昔からの教えを感じます。
他山の石も昔から他人や身近な友人などと自分を比べる習慣があり、そこから生まれた言葉ですね。あらためて言葉を知ることは、自分の力になりますね。
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