近年、日本へ外国人観光客が増えています。
ただ、観光や買い物を楽しむだけでなく、日本の伝統文化に触れたり、着物を着たり、お寿司体験などさまざまなことで日本での旅行を楽しんでいます。
しかし、外国の方とのコミュニケーションは難しいですね。
英語が苦手な方、多いと思います。
ただ、ただね、外国人の方も日本の言葉に苦手な方、多いです。
日本語は、漢字、ひらがな、カタカナがあり、さらには、尊敬語、謙譲語、丁寧語があります。
英語で「YOU」であなたですが、日本語はあなた、おまえ、おい、君、あの方、あの人、など状況によってさまざまな表現をします。
だから、混乱します。さらには漢字ですね。同じ読み方でも意味が違うし、組み合わせが多くて覚える語学量も多いです。
そんな日本語、日本人である私たちも苦手なのが、漢字ではないでしょうか?
例えば
憐憫
この字、なんと読むでしょう?
目次
憐憫の読み方
「れんびん」と読みます。
この時点で、読めない方、読めても意味がつかめない方、多いと思います。最近、憐憫なんて聞いたことありませんね。
私たちが使う日本語でも日常、使わなくなった言葉、多いですね。憐憫、会話に出たことがありません。
パソコンで検索すると、山ほど漢字が出てきて、何千も何万もの組み合わせで微妙なさじ加減の漢字があります。
いわゆる、曖昧な表現。相手に解釈を委ねる表現があります。
白か黒ではなく、曖昧な表現がおおいです。
漢字もまた、状況や立場、伝え方によって同じ意味でも違う漢字を使う技法があるのです。
憐憫の意味
では、憐憫とは、どんな意味でしょう?
れんびんとは、かわいそうに思うこと、あわれむこと、あわれみです。
つまりは、かわいそうに思ったり、何か起きた事柄や人に対して気の毒に思ったりすることです。
「憐」とは、レン、もしくはあわれむと読みます。
「憫」もビン、もしくはあわれむという読み方をします。
この2つの漢字が合わさって「憐憫」となります。
この文字、1つでも難しい読み方ですね。
不憫との違い
では、ここで質問です。
「不憫」
この字は、なんと読みますか?
この字は「ふびん」と読みます。
不憫、わかるーという方、聞いたことあるし、意味分かる!という方、多いと思います。
不憫な子
なんてドラマを見ていると、こんな言葉が出てきたりします。
不憫もどちらかというと、マイナス表現なイメージですね。
かわいそうとか、気の毒な意味を持っていますが、「憐憫」と「不憫」は意味が違うのでしょうか?
実は、この2つの漢字は、意味が同じ類義語です。
不憫は当て字で以前は「不便」と書いていたそうです。
そして、もとは都合が悪いという意味でしたが、そこからかわいそうという意味に転じて、「不憫」となりました。
さらに「不便」という言葉も残り、こちらは、便利ではない、という意味になりました。
話を元の戻しますが、憐憫は名詞として使います。
不憫は名詞として使うほかに形容動詞にもなります。
なんだか、難しい国語の授業のようになりましたが、次に使い方でなんとなく、違いが分かっていただければと思います。
憐憫・不憫の使用例
では、使い方の違いを例で見ていきましょう。
不憫な子
これは、たまにドラマで聞くせりふですね。
例えば、あるドラマで「同情するなら金をくれ!」というセリフがありましたが、あの主人公こそ、不憫な子だね、と表現します。
例えば、彼にふられた女性に対して不憫な女性と表現します。
しかし、憐憫な子、憐憫な彼女とは言いません。
憐憫を使うときは、
憐憫のまなざし
憐憫の情
といいます。
仕事で失敗して上司に怒られた彼に憐憫の情を抱いた
お金も家もなくした人に憐憫のまなざしを向ける
などです。
ちょっと難しいですが、表現は不憫のほうが使いやすいですね。
憐憫は心の状態を表現しています。不憫は、それだけで対象となる人の状況が分かる、状況表現です。
まとめ
いかがでしたか?
漢字は難しいです。奥が深いです。
心を表現する漢字が特に奥が深い使い方ですね。
最近は、この2つの漢字を日常で使うことは、ほとんどないですが、知っておくと、ちょっと漢字の世界が広がりますね。
たまには、漢和辞典を開いてみるのも楽しいかもしれませんね。
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