政治家の方々が時々小難しい言葉で語る場面を見聞きして、「え? どういう意味?」と思ったこと、誰でも一度はあるかと思います。
よくない出来事などがあった際、禍根や遺恨という言葉を耳にすることがあるかと思いますが、聞き慣れない言葉なのでいったいどういう意味なのだろうと思うこと、あるのではないでしょうか。
なんとなくよくないことなんだろうな……とわかっていても、どういう場面で使うのが適切なのか、いまいちなことも多いですよね。
今回は間違いやすい言葉の中から「禍根」と「遺恨」を取り上げます。
そもそも、それらってどういう意味なの……というところからはじめたいと思います。
目次
禍根の意味・読み方
禍根と書いて「カコン」と読みます。
耳にする使い方としては「禍根を残す」ではないでしょうか。
よくないことなのだろうとはざっくりわかっていても、それを残すってどういうこと……となりますよね。
禍根とはわざわいの起こるもとや原因という意味があります。
わざわいはよくないですよね。
そのため、どちらかといえば「禍根を断つ」というような言い方をしている場合の方がわかりやすいと思います。
わざわいの原因を断つということを言っていますので。
しかし危惧するような時に使うのであれば「禍根を残す」でも通じますよね。
禍根だけでは不十分で、その前にくる言葉や、それらの内容があってはじめて禍根という言葉が生きてくるのだと思います。
遺恨とは意味が違う?
同じような感じで遺恨という言葉を使う場合があると思います。
しかし「遺恨を残す」という言い方は間違いです。
遺恨の意味を知ればその間違いに気づくかと思います。
遺恨とは忘れられないような怨みという意味と残念に思うという意味があります。
多くの場合は怨みの時に使うことが多いと思うので、「遺恨を残す」と使ってしまうと「怨みを残す」になってしまいます。
怨みというものはだいたい晴らしたいものですよね。
なので、「遺恨を晴らす」と使うのが正しいのです。
禍根・遺恨の使い方
では禍根と遺恨を間違わずに使うためにはどうしたらよいでしょうか。
ざっくりとですが、禍根は未来を見据える、遺恨は既に起きてしまったことを打ち消すと覚えればよいかと思います。
・今目の前のことを後回しにしたらいずれ禍根を残すことになる。
・今日の試合は負けたが、いつかこの遺恨を晴らしてやる!
というような感じになります。
未練と似ている?
一般の人の中で一番よく使い耳にするのは「未練」できないでしょうか。
未練がましいとかいいますよね。
諦めきれないことに対し、未練という言葉を使うと思います。
禍根は未来への不安視や見据えたことに使い、遺恨は怨みを晴らすときなどに使います。
それぞれ明確な意思表示的なものを持っていますが、未練にはそれがありません。
似ているかもしれませんが、しっかり意思表示したい時には避けたい言葉になるのではないでしょうか。
しかし過去の行為に対し「未練はない」と断言する時にも使えますので、会話の前後、場の雰囲気などを読み取り使い分けることで、自分の心情や考え方を適切に相手に伝えられるかと思います。
まとめ
相手に伝える時はその相手に言いたいことが伝わらなければ意味がありません。
ダラダラと言葉を連ねるのは逆効果な時もありますので、正しい言葉の意味を理解しているのであれば、小難しい言葉を織り交ぜてみるのも会話術のひとつかもしれません。
怨みを晴らすぞというよりは、遺恨を晴らすぞと言った方が心象は違うと感じます。
怨み言葉はあまり使いたくありませんし、下手したら子供っぽいと思われることもありますよね。
場の雰囲気、相手の立場も考えて言葉選びをし、正しい意味での言葉を使うことができれば、より日本語の美しさや素晴らしさが映えるのではないでしょうか。
それは日常会話でもですが、特に仕事上で使い分けができると人となりの印象も違ってくると思います。
綺麗な日本語を使っている人は仕事もできそうですよね……と感じるのは先入観や思い込み、そうであってほしいという願望かもしれませんが。
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