日本で生まれ育った環境下にいると、無意識のうちに神社やお寺と触れ合っていた……という経験は、ほとんどの方がしていることと思います。
とくに近くに神社やお寺があればなおのこと、商売や漁師や農家などを営んでいれば、もしかしたら当然のように神棚があったりしたのではないでしょうか。
何気なしに立ち寄った神社などで作法もわからず拝んだ……という方も少なくないはずです。
今ではテレビやネットで事前に確認することができますが、そうではない時代の時は見様見真似で、特にその意味を理解していなかった……なんて方もいることと思います。
さて、神社やお寺に行く、行ったことを報告する時に「おまいりにいった」と言うこともあると思いますが、これをメールや手紙などで近況報告的なことをした時、どう漢字変換しますでしょうか。
お参りですか、お詣りですか。
どちらも「おまいり」なんですが、なぜ漢字にすると違ってくるのでしょうか。
今回はその辺りを深堀したいと思います。
目次
「お詣り」の意味
お詣りの意味ですが、こちらのお詣りは神社でした時に使います。
神社に祀られているのは神様ですよね!
神様にお願いしたり、願いが叶ったご報告に行ったりした時には、こちらの「お詣り」を使用しましょう。
「お参り」の意味
ではこちらのお参りはどういう時でしょうか。
すでに神様にはお詣りを使用すると知ったので、おのずと答えは出ていると思いませんか。
そうです、仏様に対してはこちらのお参りを使います。
お寺に行った時、お墓参りをした時にはこちらのお参りになります。
先祖を偲んだり、命日などの節目に訪れるまたは拝むなどの時にもこちらを使います。
またお祈りなどの時にもこちらのお参りを使用します。
使い方の違いは?
使い方の違いは意外と簡単で、神様はお詣り、仏様はお参りと覚えるとよいでしょう。
ほかには、手を叩く参拝方法はお詣り、手を合わせるだけの参拝はお参りと覚えるのもよいと思います。
神社で手を叩くのは、そこにおられる神様に聞いてもらう、そんな合図の意味もあります。
お詣り・お参りの作法
神社の話が出たのでその流れでこちらから作法をご紹介しましょう。
お詣りは神社、神様に対して行われます。
神社と言えば鳥居がありますのでお寺と間違うことはないと思います。
①まずその鳥居の前で軽く一礼、その後道の端を歩きながら中へと進みます。
②道の真ん中は神様が歩かれる場所なので歩いてはいけません。
③進むと清めの水が置かれていると思いますので、柄杓を使って手と口を清めます。順番は、右手にかけ→左手にかけ→右手に持ち替え左の手に水を入れて口の中をすすぐ→持っていて右手と柄杓の柄を残りの水で清めます。
④賽銭箱の前で一礼→鈴を鳴らす→お賽銭を入れる→二回お辞儀→二回手を叩く→お辞儀をする、という順番になります。
祈願は手を叩いている時にする、というお話もあります。
最後、軽く一礼をして出ます。
話が前後してしまいますが、柄杓に入れる水は一度だけ、また口をすすぐ時など柄杓に直接口をつけるなどはしないようにしましょう。
続いてお参りの作法です。
こちらもおおむね神社と同じです。
①まず入る前に一礼、中に入ったら道の真ん中を歩かずに端を歩きます。
②水で手と口を清めますが、その方法も神社と同じです。
寺と神社が違うのはここからになります。
③寺では手を叩きません。賽銭箱の前に来ましたら、最初に賽銭を投げてから一礼して鐘を突きます。
④線香や蝋燭などのお供え物をしてから、合掌して拝み一礼して退出です。
まとめ
観光名所のような大きな寺や神社には多くの人が集まるので、ひとつひとつ作法を確認しながらでは後ろがつっかえてしまいむしろ迷惑になったりすることもあると思います。
一番の混雑が祭りや初詣だと思いますが、そういった場合は多少のことは致し方ないのでは……と思います。
筆者もここからなら人に当たらず賽銭投げ入れられるかなってところから投げたこともあります。
慌ただしく鐘鳴らして祈願して退散した経験が多々あります。
落ち着いて祈願するには空いている時を狙うとよいでしょう。
またお墓参りもほかの方と会うのが嫌な時もありますよね。
時期をずらせるならずらしてもよいのではと思います。
神聖な場といってもよい場所かと思いますので、他人に迷惑をかけず、自身が落ち着いてゆっくりと神様や仏様と向き合える、そういう時間が理想なのかな……と感じました。
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