冬季オリンピックの競技では、アルペンスキーやアイスホッケーは世界中でもメジャーなスポーツであり、日本ではスキージャンプ、フィギュアスケートなどは人気がありますよね。
また、この他にはスケルトン、リュージュなどと並んでボブスレーもありますが、氷上をものすごいスピードで滑走していく様子はまさにF1を観戦しているようで迫力があります。
しかし、ボブスレーに使われているソリは初め木製だったようですよ。
それが今のスポーティーな形になるまでは様々な技術改革が進められたと言いますが・・・
さて、そんなボブスレーの構造はどうなっているのでしょうね?また、大きさや値段なども気になります。
今回は、ボブスレーのソリの構造や大きさは?また性能や値段についても解説いたします。
目次
ボブスレーのソリの大きさや重さ
皆さんは、ボブスレーの競技をご覧になった事はありますか?
2人、又は4人くらいで鋼鉄製の大きなソリを押しながら、スピードが乗ったところでソリに素早く乗りこみ、1200m~1650mの氷上コースを一気に滑走していくわけですが、ボブスレーはこのタイムを競う競技の事を言います。
その最高時速は130km~140kmにもなる事から氷上のF1とも言われており、大きさもF1に使われるレーシングカーと変わらず軽自動車よりも軽いとされています。
また、総重量には制限があり、2人乗りは選手の体重を含めて最大390kg(女子では340kg)で、4人乗りは選手の体重を含めて最大630kgと定められています。
しかし、重量が少ないとタイムに影響することから、重りを入れて調節する事になります。
ボブスレーと言う種目は1924年の第一回冬季五輪から正式種目になり日本では1972年の札幌大会に「下町ボブスレー」で初出場しています。
因みに、その時のソリの大きさや重量は以下の通りです。
・全長:3m24.5cm
・幅 :86cm
・高さ:68.5cm
・重さ:180kg
これが下町ボブスレーの大きさと重さですが、世界的には2人乗りで長さ2,7m、4人乗りなら3.8mまで、幅はどちらも0.67m、重量は630kgまでと規定されています。
構造はどうなっている?
ボブスレーの構造は、鋼鉄製の車台に繊維強化プラスチックカバーを付けた物で、前方にハンドル、後方にブレーキを備えたソリ状になっています。
因みにブレーキは氷上に傷を付けない為に最後まで使われる事はないと言う事です。
また、前方底面の左右にはランナーと呼ばれる刃が4枚付いており、これで滑走するわけですが、その4枚のうち前方の刃は舵をとるための役目をしており、ドライバーがハンドルとして左右に振る事ができます。
所謂、F1レーシングカーのソリ版と言う感じもしますが、スピードがのってどんどん加速してもブレーキを使う事ができないボブスレーの方が危険性は高いと言えますよね。
特にコースからはみ出たりしないかとハラハラしてしまいますが、ボブスレーのボブとは、スピードが増す毎に乗っている人の体が前後左右に振れる事を意味し、スレーはソリの意味を持つ事でボブスレーと言う名前の由来にもなっています。
そんな事からもダイナミックなスポーツである事が納得できます。
昔に比べ性能が進化してる?
ボブスレーのソリは、もともとアルプス山麓で木材などを運搬するために利用された木製のソリが起源であり、ボブスレー競技の始まりは、その木製のソリでウインターリゾートに訪れた富裕層の遊びからスポーツに変わった事が始まりとされています。
その為、初めは木製だったのですが、よりスピードを増す為に金属製のものに進化していったとされており、現在では滑走中の最高速度が時速140kmを超えるものまで出てきたため、「氷上のF1」とも呼ばれています。
その為、イタリアでは、フェラーリ製のソリ、ドイツではBMWの開発協力によるものなどを使用するなど、レーシングカーのような開発競争が繰り拡げられており、日本でも下町ボブスレーとして世界へ君臨するため、様々な技術改革がすすめられているようです。
国産ボブスレーとして世界を轟かせる日もそう遠い事ではなさそうですよね。
平昌オリンピックでは二チームが金メダル!!
値段はどのくらいするの?
ボブスレーに使われている競技用のソリを作っているメーカーは世界に2~3社ほどと言われており、しかもすべてがオーダーメイドである為、億単位の値段になる事もあり、同じメーカーでもソリの形状が違うと言う事はよくある事です。
しかし、欧州や米国では国家プロジェクトとして強化されており、新型のソリが開発されればどんなに高額でも買い替える事ができます。
日本では、マイナーなスポーツと言う事もあり、更には連盟に費用がないなどの理由から競技に出る場合は自力で購入するしかないのですが、その値段はドイツで購入した場合、600万円~数千万円かかると言われ、格安モデルでも200万円と言われています。
その他にランナーと呼ばれるエッジの部品は別購入で、1セット20万円、更に滑走しやすく調整するのに60万円かかるとされています。
つまり、ソリ1台購入するのに最低でも680万円~700万円ものお金が必要になるわけです。
その為、選手は資金を集めるために多くのスポンサーを探さなければならないのですが、夢を追いかけてアスリートになり、せっかく人生の大舞台で活躍するところまでのぼり詰めたとしても資金が無くてはどうにもなりませんよね。
折角のチャンスが水の泡となってしまうのは残念な事なので、連盟側でもう少し頑張ってくれる事を期待したいものです。
まとめ
四年に一度開催される五輪では、この日の為に練習を積み重ねてきた結果を世界中のアスリートたちが集まって競う合う事になります。
しかし、せっかく素晴らしい結果が出ていても資金不足の為に満足な用具もそろえる事ができず、出場を断念せざるを得ないと言う選手もいるようです。
特にマイナーなスポーツでもあるボブスレーなどは、ソリを購入するのに多額の費用を要する事になり、そう簡単に出場できる競技ではなさそうです・・・アスリートたちのスポンサー探しには頭を悩めていると考えられます。
以上、ボブスレーのソリの構造や大きさは?また性能や値段についての解説でした。
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