小学校で顕微鏡を使って一番初めに観察するものと言えば、ゾウリムシですよね。
肉眼で見る事のできないミクロの世界を顕微鏡を通す事で知る事ができると言う事に感動したものですが、そのゾウリムシの形は分かっていても器官などの働きや細かな構造までは覚えていない人は多いと思います。
また、同じ原生生物のミドリムシも有名でありゾウリムシもミドリムシもどちらも虫がついていますが違いはどこにあるのでしょうね?
今回は、ゾウリムシの大きさや構造!役割・働き・ミドリムシとの違いについて解説いたします。
目次
ゾウリムシとは
ゾウリムシとは、原生生物の中でも日本人が人生の中で一番最初に目にする生物であり、繊毛虫門少膜鋼、膜口目、ゾウリムシ科、ゾウリムシ属に分類されるミクロの生き物です。
全身が繊毛に覆われ紡錘体のような草履に似た形をしており、細胞の周りを覆っている繊毛を動かしながら水田や沼、又は池などの淡水に生息してバクテリアなどをエサとしています。
小さな生き物である為、肉眼では見る事ができない事から、顕微鏡を通してしか見られない生き物です。
ゾウリムシの構造
ゾウリムシは、平べったい草履のような形をしており、細胞が一個でできている単細胞生物です。
その構造は、食胞・小核・細胞口・細胞咽頭・細胞肛門・収縮胞・大核・繊毛からの構造でできているため、細胞一個の中に生きるための全ての機能が詰まっている事になります。
また、細胞内に機能的に分化した小核や大核のような核を持つのは繊毛虫類の特徴でもあり、繊毛を動かして移動するため単細胞生物の中でも移動力が大きいです。
器官の役割と働き
細胞内には食胞・小核・大核・細胞口・細胞咽頭・細胞肛門・収縮胞・繊毛の8個の器官があり、一つひとつの器官に重要な役割があり働かせながら生きています。
単細胞生物と言えども立派な生き物ですよね。
それぞれの役割や働きは以下のようになります。
・細胞口
ゾウリムシの中腹にくぼみがねじれるように入っており、食物を取り込む為にあります。
人間で言えば口そのものです。
・細胞咽頭
細胞口の奥にある細胞咽頭で食べたエサを食胞に取り込みます。
これも人間で言えば、喉や食道になりますよね。
・食胞
取り込まれた餌は、食胞で消化されて細胞内を回るように移動します。
所謂、人間の消化器官とも言えます。
・収縮胞
浸透圧を調整する働きがあり、水の排出時にはこの涙滴型の収縮胞に水が集まり、中央の円形の部分に水が移動して細胞の外へ水が放出されます。
これは人間で言えば膀胱や腎臓の役目なのかもしれませんね。
・小核
遺伝情報を次世代へ受け渡す為の生殖器でもあります。
・大核
生きるための活動器官でもあり、栄養核としても知られています。
人間で言えば、肝臓などにあたりそうですよね。
・細胞肛門
細胞口から取り込まれたエサが細胞内を移動したあとに排出される器官です。
・繊毛
約3500本の繊毛が体表の繊毛列にそって生えておりこの繊毛を動かす事で移動することができます。
これを人間に例えれば、足と言う感じですね。
ゾウリムシはこれらの器官を働かせて生きている事が分かりますが、とても簡単な作りにはなっていますが、生命全ての原点でもある事が分かります。
ゾウリムシとミドリムシの大きさの違い
ゾウリムシと同じようにミドリムシも理科の実験で見る事が多く、一般的にはプランクトン、又は微生物と呼ばれ自ら動く原生生物としても有名ですよね。
しかし、ゾウリムシとミドリムシは同じプランクトンと呼ばれる仲間ではありますが、ゾウリムシは動物性であり、ミドリムシは植物性プランクトンとして分類されます。
特にミドリムシは鞭毛と呼ばれる毛を使って動くことができるうえ、ユーグレナ植物門・ユーグレナ目に属し、光合成を行って自分で養分を作る事ができるため、植物性と動物性の両方の性質を持ちます。
また、体型も大きさも違い、エサも違うため、全く異なる生き物のようです。
因みに大きさは、ミドリムシが0,06㎜~0,09㎜に対して、ゾウリムシは、0,17㎜~0,29㎜あり平均的にゾウリムシの方が大きい事が分かります。
ミドリムシ、ゾウリムシがでてきます♪
まとめ
ゾウリムシやミドリムシなどは顕微鏡を使った理科の実験では誰もが目にする原生生物ですが、どちらも繊毛や鞭毛を使って動くため同じ生き物と思ってしまいます。
しかし、ミドリムシは動物的性質を持ちながら植物の仲間でもあり藻の一種になりますが、ゾウリムシは動物性の原生生物でありバクテリアをエサにしている生き物です。
その為、単細胞生物の植物と動物の区別は難しいと言う話の一つとして挙げられる事が多いようです。
最近では、ミドリムシ=ユーグレナとして健康サプリメントなどでも知られていますが、海藻としての認識が無ければ試す勇気も持てなかったかもしれませんね。
以上、ゾウリムシの大きさや構造!役割・働き・ミドリムシとの違いについての解説でした。
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