鍋料理の彩り担当として欠かすことのできない野菜といえば、春菊があげられると思います。
目を引くような濃い緑色、そして独特の香り…
鍋料理以外でも、おひたしや炒め物、生のままサラダにするのも美味しいです。その春菊の別名をご存知ですか?
春菊はその色の濃さから、とても栄養価が高そうなイメージがあるのですが、からだにとってどんな効果や効能があるのでしょうか。また、アレルギーによる下痢や毒性はあるのでしょうか?
そこで今回は、春菊の別名や身体への影響、毒性をなどを保存方法や旬の時期の説明とともに解説します!
目次
春菊はどんな食べ物?
春菊は室町時代より日本に伝わったとされる、割と歴史のある葉物野菜です。
その名前の通りキク科で、柔らかい葉が特徴なのですが、もうひとつ香りがとても強いということがあげられると思います。
この香りには精神安定作用があり、リラックス効果を促すのだそうです。
確かに、思わずスーッと吸ってしまうような香りは嗅ぐと癒される気がしますよね!
春菊というと、ほんのり甘みがある味が特徴ですが、実は生産されている地域によって違いがあります。
基本的に東京産の春菊は苦みが強く、広島産の春菊は甘みが強いそうですよ。食べ比べてみると面白いかもしれませんね。
春菊の別名
皆さんはご存知ですか?
関西地方では春菊を「きくな」と言うそうです。
また1500年台の文献(「お湯殿の上の日記」)に「しゆんきく」「高麗菊」という名前が出てきていて、このどちらかが現在の春菊を示しているのではないか、ということも指摘されています!
本当に昔から馴染みのある野菜だったんですね。
春菊の栄養にはどんなものがある?
春菊は、緑黄色野菜らしく様々な栄養素が含まれています!
・ベータカロチン
ベータカロチンは体内に入るとビタミンAに変わる栄養素で、皮膚や粘膜の健康を維持するために大切な栄養素です。
含有量としては、ほうれん草に次いで多く、野菜の中でもトップクラスとなっています。
・カルシウム
骨や歯を丈夫にするカルシウムも、緑黄色野菜の中ではかなり多く含まれています。
カルシウムの他にもマグネシウムやリン、鉄分などのミネラルがバランスよく含まれています。
また骨を丈夫にする効能をもつビタミンKも豊富で、カルシウムとともに活躍します。
・ビタミン類
特にビタミンEと葉酸が豊富な春菊は、女性にとってぜひ積極的に食べてもらいたい食べ物です。
ビタミンEは抗酸化作用が強く、葉酸は造血ビタミンと言われるくらい貧血を予防する働きがあるからです。
・クロロフィル
クロロフィルとは、春菊の濃い緑色のもとである葉緑素のことで、熱にも負けないことが特徴です。
ほうれん草など他の野菜も加熱して栄養がどれだけ損なわれるか比較実験したところ、春菊が一番クロロフィルが失われなかったそうですよ!
春菊の栄養素によるからだへの影響は?
からだに良い栄養素をたっぷり含んだスーパー野菜である春菊ですが、具体的にからだにとってどんな影響が期待できるのでしょうか。
順番に見ていきましょう!
・免疫力アップ
ベータカロチンがビタミンAとして皮膚や粘膜の健康を強化、維持するので風邪をひきにくくなるなど免疫力がアップします。
粘膜を強くすることで、簡単にウイルスや細菌が体内に入ってしまうのを防ぐのです。
・貧血予防
春菊には、葉酸が豊富に含まれているため、血液のもとである赤血球を増やすことができます。
鉄欠乏性貧血の女性は多いと言われていますので、ぜひ積極的に食べていきたいですね!
・骨粗しょう症予防
春菊のカルシウムとビタミンKのダブルパワーで、骨や歯を丈夫にして骨粗しょう症を予防します。
骨はからだにとって土台になる大切なものですから、しっかり栄養をとっていきたいところです。
特にホルモンバランスが乱れる授乳期や閉経期は、骨粗しょう症を引き起こしやすいので、春菊をたっぷり食べるようにしましょう。
・生活習慣病予防
春菊の葉緑素であるクロロフィルがコレステロール値を下げてくれて、さらに血が血管内で固まってしまう血栓ができるのを予防します。
つまり、血液をサラサラにしてくれるということなのです!
さらにビタミンEは抗酸化作用があるので、からだに害となる活性酸素の発生を抑えてさらに様々な生活習慣病を予防していきます。
春菊サラダの作り方♪
春菊には毒がある?
ここまで春菊の素晴らしい栄養素を紹介してきましたが、以下は春菊の別の側面に関して紹介します。
春菊には毒があるのか?そんなことを聞いたことあります。
結論から言いますと春菊には毒性はありません。
しかし春菊の栽培時に用いられる化学肥料や、害虫を駆除するための農薬が付着していることがあります。
そのため、使用する際はしっかりと洗うことが大事ですね!
春菊を食べると下痢をする?
上記で解説したように春菊自体には毒性はないのですが、まれにアレルギー症状を引き起こします。
食べている最中にピリピリ感を感じたり、口の周りに赤みや腫れが出てきたら要注意ですね。
症状としては風邪や花粉症の症状に似ているので、原因が春菊だとわからず発見が遅れてしまうことがあるそうです。
離乳食で子どもに使っている場合など、万が一重篤な状態になることを考えたら少しでも疑わしいときには小児科へ行ったほうが良いかもしれません。
春菊の旬は?
春菊が一番美味しく食べられる旬の時期は、11月〜3月にかけてとなります。
春菊という名前が付いているのは、春に花を咲かせるところから来ています。
一応一年中スーパーなどで見かけることはあると思いますが、茎の部分まで柔らかくいただけるのは、秋から冬といった寒い時期だけです。
そう、ちょうど鍋料理が美味しくなってくる時期なのです。
春菊は、熱を加えすぎると苦味が出ることが多いので、ささっと火を通す程度で大丈夫です。
鍋料理では、仕上げに加える材料として後から入れましょう。
生のままサラダにするならば、やはり11月〜3月の旬の時期に食べるのが一番美味しくいただけますよ!
春菊の保存方法
春菊を冷蔵庫で保存するときには、乾燥しないように濡らしたキッチンペーパーなどで包んでからフリーザーバッグに入れて保存します。
この保存方法で注意したいことは、冷蔵庫でなるべく「立てて」保存するということです。
葉物野菜は上に向かって伸びやすいという習性があるので、横向きにすると茎自体が曲がってしまいやすくなります。
こうなると春菊にとって不自然な状態になってしまうので、傷みが早くなってしまうようです。
それでも、できれば3日以内には食べたいところです。
もっと長く保存したいということであれば、冷凍が向いています。
春菊は塩を入れて沸騰させたお湯で30秒間下ゆでし、すぐに冷たい水にさらしてしっかり水気を取ります。
使う分だけ小分けにして、ラップに包んでフリーザーバッグに入れて冷凍します。使いたい分だけ使えるので、お弁当などで少量使いたいときに役立ちますね!
春菊をプランターで自宅栽培したい!
春菊はあの独特な香りで害虫をあまり寄せ付けないので、家庭菜園初心者でも栽培しやすい野菜のひとつです。
プランターで手軽に栽培ができるので、やり方をご紹介します。
春菊は春に種を植えても秋に植えても収穫はできますが、害虫がつくのが気になるのならば、秋に種蒔きをすることをオススメします。
9月に種を植えれば、11月には収穫ができます。
11月〜2月くらいまでは断続的に収穫ができますので、とても便利ですよ!
水やりは基本的に土の表面が乾いたらたっぷりとやります。
しょっちゅうお水をあげてしまうと、根腐れをして育たなくなってしまいます。
発芽したら、間引きをしていって一箇所あたり3株を目安に揃えていきましょう。
収穫期間が長いので、定期的に追肥をしていくことが重要で、暖かいときには2週間に1回、寒いときには月に1回が目安です。
収穫するときには、株の根元から7センチほどの茎を切るのがポイントです。
春菊の栽培方法も含めて動画で解説♪
まとめ
香りを嗅ぐだけで癒され、食べても美味しい栄養たっぷりの野菜である春菊についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
春菊は、その色の濃さを裏切らない栄養の豊富さで、わたしたちのからだに良い効果や効能を発揮してくれることがわかりました。
特に女性にとって嬉しい栄養素が多く含まれているので、美容と健康両方を考えてしっかり冬場は春菊を食べるようにしましょう。
春菊の旬の時期や保存方法や冷凍のやり方、そして自宅での栽培方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
春菊は春に花をつける野菜で、旬は寒い時期なのですね。
保存方法のポイントは冷蔵庫では乾燥を防いで立てて保存すること。冷凍はささっと茹でて、水気をよく切って小分けにすることが大切です。
また、春菊は家庭菜園でも栽培しやすい野菜なので、ぜひチャレンジしてみてください。わたしも家庭菜園をしていますが、自分で作った野菜は格別ですよ!
2月までの期間内なら何度も収穫できて、お得感満載です。
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