日本人なら日本語が話せて当たり前……のように思われがちです。
とくに日本で生まれ育ち、日本で義務教育を受けていれば、そう思われてしまうのも頷けてしまうものです。
しかし、しっかりと言葉の意味を知って使っているかとなると、いささか疑問があります。
耳から聞いて覚えたので間違って記憶してしまっていたり、意味を知らずに使っていたり。
なんとなく知っていたつもりが違っていたりと、知っているようで実は知らないというのが日本語だと思います。
実際、日本語は難しいです。
同じ言葉でもちょっとしたイントネーションの違いでまったく違うものになってしまいます。
今回はそんな間違えやすい日本語ではなく、実はその言葉を知っていて、これまでの人生の中で一度くらいは口にしたことがある言葉。
だけど、本当のところ、その言葉の意味も正しい使い方もはっきり説明できない、そんな言葉の中から「なし崩し」について掘り下げてみたいと思います。
目次
なし崩しの意味や語源は?
なし崩し、どのような時に使ったり耳にしたりしているでしょうか。
実はこの言葉、勘違いして使われることが多いとされている言葉のひとつでもあります。
誤用に関しては別項目を設けておりますので、そちらに記載させていただくとして、ここでは本来の意味と語源についてまとめます。
正しい意味は、「物事を少しずつ変えていく」です。
ほかには、物事を徐々に変えていってそのまま始末してしまうこと……という意味合いもあります。
語源は借金を少しずつ返済することからきています。
なし崩しの「なし」を漢字で書くと「済し」、この済しは返済という意味です。
そこから転じて物事を少しずつ変えていく(片付けていく)となりました。
なし崩しの具体的な使い方は?
少しずつ、徐々にという意味で使います。
何かが少しずつ動いている、変わっているというような時に使いますので、
・このまま計画をなし崩しで進めていこう。
・この恩はなし崩しでも絶対に返すから。
――のような使い方もあるかと思います。
誤用が多い?
この言葉、大変誤用が多いのです。
本来はとても前向きでよいことの意味で使われるべきなのですが、なぜか多くの場合、悪い意味で使われてしまいます。
うやむやに~、流れに任せて~、などの意味として使われることが多いです。
「なし崩し」にかぎらず、本来は良い意味の言葉なのに、悪い意味として使われる言葉が多いのです。
筆者の個人的な意見でいえば、なにも小難しい言葉など使わずに、簡単な言葉を使えば恥ずかしい思いをしなくて済むと思うのです。
うやむや・あいまい的な意味で使いたいなら、そのまま「うやむやにするなよ」とか「その考えはあいまいすぎる」と言えばよいのです。
なぜ、あえて間違って難しい言い方をしてしまうのでしょうか。
対話は相手にしっかりと伝わらないと意味がありません。
もし、相手の方がしっかりとその言葉の意味をご存知であれば、絶対に話はかみ合っていませんよね……笑
なし崩しの類義語
少しずつ物事が変わっていく(進行している)というような意味合いですので、
「じわりじわり」
「ネズミが引くように」
という類義語があります。
ほかには、少しずつ・徐々に・ちょっとずつ、などがあります。
なし崩しの対義語
対義語の場合は、物事の変化に対し速さを求めるような言葉をさします。
たとえば、急速・早急・素早く、などがあります。
まとめ
誤用に気づく、それはとても大事なことです。
知った後、訂正していけばよいのです。
間違っていたことに気づかず、そのままあたかもそれが合っているように使い続ける、それはやめた方がいいでしょう。
誤用していたからといって、責めるようなことはされません。
もし、使い方の意味がわからない時は、無理して難しい言葉を使う必要性もないと思います。
仕事だから……とあえて難しい言葉を使って、実は誤用だった時の方が恥ずかしいことです。
わかりやすい言葉、伝えやすい言葉、そこに伝えようという気持ちがあれば、聞く側もしっかりと受け止めてくれるものです。
なし崩しの意味を知った方、今度は自信もって正しい使い方をしましょう。
そしてこれを機に、今まで使っていた言葉の意味は正しかったのだろうか、一度確認してみるのもよいかと思います。
実は、知っているつもりで実は間違っていたという言葉、結構多いものなんですよ!
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