リスと聞くとだいたいの方は可愛いという印象を持つと思います。
姿もさることながら仕草も可愛いですよね!
小動物の中でも人気の部類だと思います。
さて、その人気のリスの中にも厄介な存在に分類されるリスがいることをご存知でしょうか。
タイワンリスというのですが、まあ名前からだいたいの想像ができると思いますが、アジア全域、とくに中国からマレー半島にかけて生息しているリスです。
そのタイワンリスがいったいどんなことで厄介者扱いされているのでしょうか。
タイワンリスの生態を知ることでその理由もわかると思いますので、順序立てて説明していきます。
目次
タイワンリスの生態
先にも記述しましたが、タイワンリスはアジア全域の特に中国からマレー半島を中心に生息しているリスの一種です。
胴体が20センチ前後、尻尾が18センチ前後とニホンリスより若干大きいです。
だいたい一回りくらい大きいと思っても大丈夫かと思います。
体毛は短く、背中は灰褐色、腹部は淡褐色であるのも特徴のひとつです。
昼行性で単独行動をします。
幼いころは群れで行動することもあるようですが、成体になると群れることはなくなります。
主食は植物、ときおりセミやカタツムリなどを食することがあります。
タイワンリスの鳴き声
聞く側の感覚にもよると思いますが、ワンワンと小型犬の鳴き声に聞こえることもあれば、クックッとアカゲラという鳥類の鳴き声に聞こえることもあるようです。
タイワンリスの鳴き声に関してはいくつか映像や音声がネット上にあがっていますので聞いてみるとよいと思います。
個人的には鳥の鳴き声に似ていると感じました。
タイワンリスの鳴き声
タイワンリスとニホンリスの違い
タイワンリスの生態のところでも書きましたが、体の大きさがまず違います。
続いて尻尾の違いで区別できると思います。
タイワンリスの方が大きく太さがあります。
ニホンリスはよく尻尾を丸めてなにかを食べている場面の記憶があると思いますが、タイワンリスのような太い尻尾ではなく平たい感じなため、ありような形になるとのことです。
また体毛の色で区別することもできます。
タイワンリスは背中が灰褐色、腹部が淡褐色なのに対し、ニホンリスも茶褐色っぽい体色をしていますが、耳の先の毛が白かったり、あごのあたりの毛が白かったりとワンポイントがあります。
タイワンリスの被害
タイワンリスの被害をなぜ受けることになったのか、その経緯を知る必要があります。
そもそも野生化しなければ被害とはほぼ無縁でいられるはずだからです。
タイワンリスは戦前から観光用として飼われていました。
しかし伊豆大島の公園から逃げてしまったタイワンリスが野生化し、鎌倉や江の島といった観光地で多く目撃されるようになったのです。
タイワンリスにとって日本の気候は相性がよく、さらに餌が豊富なことから繁殖していきました。
結果、生態系への危機と農作物被害の危機のダブルで被害を受けることになったのです。
生態系に関してはニホンリスとの生息地が競合、在来種であるニホンリスの生態が危うくなりつつあります。
またニホンリスと交雑してしまう可能性も拭えません。
さらに野鳥の卵を食べてしまうという被害もあり、このままでは野鳥の個体数が減っていってしまいます。
樹皮を剥がして食べたしまったりもするため、樹木が枯れていくこともあります。
自然界にとってとても厄介な存在なのです。
さらに厄介なのは我々人の生活にも及んでいます。
野菜の食害、果実の木の樹皮を剥がされることによる枯れから育たなくなることも少なくありません。
ほかにも電話線をかじられたり、店の商品を食べられたりと被害は大小関わらず住宅地にまで及んでいます。
オレンジを齧るタイワンリス
タイワンリスの天敵
繁殖を広げていくタイワンリスに天敵はいないのでしょうか。
実は天敵が存在するのです。
猛禽類やヘビ類などが彼らにとっての天敵なのですが、今のところ繁殖を広げている生息地にそれら天敵たちの存在があまりないため、猛禽類やヘビ類がなんとかしてくれると期待するのはやや難しいところです。
タイワンリスの駆除方法
自然の天敵になんとかしてもらおうとしても期待できないのであれば、人の手で駆除するしかありません。
正直、リスは可愛いので可哀そうではあるのですが、やりすぎはいけませんね。
普段の生活を脅かしたり、今ある日本国内の自然を崩されるのであれば、多少のことはしかたありません。
ただタイワンリスとニホンリスを瞬時に区別するには素人には無理なため、専門の人にお願いする方法が一番かと思います。
またよく箱罠を仕掛けて捕獲している場面をテレビなどでみる機会もあると思いますが、罠を張って捕獲するには資格が必要となります。
素人ではできない方法ですので、市町村などの窓口に相談しましょう。
では素人ではなにもできないのか……となりますよね。
音を出して遠ざける、また被害の実態を観察カメラで撮って相談するくらいになるでしょうか。
それだけでもしないよりはマシかと思います。
まとめ
外来種の被害は今回のタイワンリスに限らずほかにもありますよね。
住宅地にいれば関係ないと思っている人もいると思いますが、いつ何時その被害が住宅地のど真ん中にまで迫ってくるかわかりません。
可愛いから可哀そうという考えは、被害の経験がないから言えることなのだと思います。
被害が度重なれば死活問題に直結する仕事の方もおられます。
可愛いから可哀そうなんて暢気なことは言ってられませんよね。
でもだからと言って殺してしまってもいいという考えではないと思うのです。
発端は管理の不手際から起きたであろうタイワンリスの脱走です。
もしかしたらペットと飼っていた人が逃がしてしまったケースもあるかもしれません。
元々は人の身勝手な行動から起きてしまっているのも事実で、こういった問題を聞くといろいろ考えさせられます。
タイワンリスの被害はまだ日本全国に広がっていないので、そうなってしまう前にもっと効果的な対処法などが出ればいいと思います。
日常的に役立つ情報を提供していますので良かったらどうぞ♪