イノシシの被害は、時折ニュースなどでも話題になり、農作物を荒らすなどして甚大な被害を被っている農家の人も多いですよね。
また、農村地帯ばかりではなく近年では街中にも出没することがありゴミをあさるなどの被害も問題になっています。
様々な対策はとられているものの、これとして効果を発揮するものは無く自治体も頭を悩めているようです。
しかし、昔から知られている方法でイノシシの嗅覚を利用した対策がかなり効果的と話題になっているようです。
さて、それはどんなものでしょうね!?
今回は、イノシシの嫌いなもので対策しよう!について解説します。
目次
イノシシの生態
日本にとって古くから馴染み深いイノシシは、本州、四国、九州に広く分布するニホンイノシシと、奄美大島から沖縄に分布する琉球イノシシの2種類に分類されます。
それ以外は、豚とイノシシの交配によって生まれたイノブタと言う雑種が存在しています。
イノシシは、縄張りと言うものを持たず単独か家族単位で行動することが多く、主に山の中で生息しながらキノコやタケノコ、栗、ドングリ、又は植物の新芽や根を好んで食べ、時折隣接する水田や農耕地に出没してイネや豆類、又は農作物などを食べています。
繁殖期間は12月から始まり約3か月に渡って続き、発情期を迎えたオスは食事もとらずにメスを探して徘徊すると言われています。
メスの発情期間は3日間で、春になると2~8頭ほどの子供(ウリ坊)を産み。出産に失敗した場合は、秋に出産する個体もいるようです。
因みに、イノブタは年中繁殖が可能であるため、その繁殖力はイノシシの5倍と言われています。
体は厚い毛皮で覆われており、体当たりしてもそれほどの痛みは感じないとされています。
また、嗅覚は犬と同じくらい発達しており、聴覚も非常に発達していますが、視力に関しては人間に例えると0.1以下と弱いようです。
その為、ほとんどを発達した嗅覚と聴覚に頼っているようです。
それにしても、イノシシの走るスピードは速く、時速45kmと言われ猟犬でも追いつけない速さと言われています。
更に「猪突猛進」と言われるイノシシですが、そのスピードで自由自在に方向転換もでき、1mほどの跳躍もある事から、1.2mの柵などは悠に飛び越えるとされています。
イノシシは、本来昼行性の動物ですが、神経質で警戒心が強いため人間を避ける性格から一般的には夜行性であると言われています。
その為、驚いたり恐怖感をあおると攻撃してくることもあるので注意が必要です。
イノシシの被害
本来は山の中で生息する動物ですが餌を求めて農耕地に出没し、イネや農作物などを荒らすなどして問題になっています。
中には、1日で稲が全滅したと言う事例も報告されており、被害は深刻な状況のようです。
また、近年ではその被害は街中にも広がり、餌を求めて走り回るイノシシが猟友会によって狩猟されたと言うニュースは多いですよね。
イノシシの嫌いなもの!!
そんなイノシシによる被害を食い止めるために様々な防止策も試されてきましたが、イノシシは意外に賢く学習能力もある為、改善するまでは至っていないようです。
そこで、嗅覚や聴覚などを使って行動する習性にヒントを得て、嫌いな匂いや音、又は柵などを使った防止策が考えられています。
・嫌いなもの1 唐辛子成分のカプサイシン
嗅覚が発達したイノシシの鼻と舌に対して嫌な刺激を与え、「ここは美味しそうな餌がなさそうだ」と唐辛子の臭いで誤認させる方法であり、この奇策をとったところ2年間連続でイノシシを退散させた地域もあるほどです。
・嫌いなもの2 電気柵
普通の柵などは、イノシシの鼻で簡単に持ち上げられたり倒されたりする為、効果がありませんでしたが、電気柵は鼻が触れただけでビリビリと電気が走るため、近づかなくなります。
実際、最も効果が高いと評判です。
※閲覧注意 電気串によるイノシシの駆除
・嫌いなもの3 好む環境を排除する
イノシシは、湿地を好み開けた場所を嫌う事から、農地に面した藪や木などを刈り払い、見晴らしを良くしておくこともイノシシを近づけない対策になります。
また、その他にも様々な対策があり、餌となるゴミを置かない、爆竹を鳴らす、又は大型犬の糞を置くなどもありますがどれもこれも一時しのぎで、学習してしまうイノシシには効果がないようです。
その中で最も効果的と言われる3点ですが、お困りの方は試してみてはいかがでしょうか!
イノシシは飼育できる?
イノシシの子供はウリ坊と呼ばれ、成獣と違って可愛らしいですよね。
そんな事からペットとして飼育してみたいと思う人もいるようですが、イノシシは狩猟動物であり鳥獣保護法の対象動物ではないので許可が無くても飼育することは可能です。
しかし、販売を行っているショップは無く、出産時期も春先なのでウリ坊を飼う事も実際は困難な事です。
また、偶然にもウリ坊を飼育できたとしても半年もしないうちに大きく成長してしまい、重さも100kgを超える事から管理することは難しく、突発的な事故にもなりかねない為、一般家庭での飼育には限界があります。
飼ってみるとこんな一面もあるようです♪
まとめ
人間によって自然を破壊され餌に困ったイノシシも、生きるために人里へおりて餌を探すようになり、人間に害を及ぼすと言われ狩猟されてしまうと言う、何とも理不尽な事に悲しみや憤りも感じてしまいますが、自然淘汰を考えると致し方ないのかもしれませんね。
しかし、出来れば山に棲む動物たちが人里におりてくる必要がないように、もっと環境づくりを考えてあげて欲しいと願わざるを得ません。
以上、イノシシの嫌いなもので対策をしよう!の解説でした。
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